自転車の買い方

現役自転車店店員が、納得できる自転車の買い方をご紹介します。

通学用自転車に必要な4つのこととは? 

通学用自転車に必要なものとは、なんでしょうか。

それは安全に乗れること。

これにつきます。

自宅から学校まで、安全に往復できること、これが一番大事です。

ではそのためには、いったいどんな機能があればいいのでしょうか。

  1. オートライト
  2. 耐パンクのタイヤ
  3. しっかりとした車体
  4. 定期的な整備

この4つです。ではそれぞれについて解説していきます。

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①通学用自転車にはオートライト搭載のものを!

オートライトとは、その名の通り暗くなると自動で点灯するライトです。

新型のものは、昼でもライトがつく設定になっています。

自転車につけるライトには大きく分けて3種類あります。

①オートライト

前輪の中心(ハブ)で発電します。

ライトの下に光センサーがついていて、暗くなると発光します。

最大の特長は、点いていても漕ぐのが重くならない、ということです。

もちろん多少は抵抗が発生しているのですが、それを感じることはほとんどありません。

またLEDなので、大変明るいのです。

②ブロックダイナモ

昔からある自転車用ライトですね。

昔は電球だけでしたが、いまはLEDタイプのものもあります。

タイヤの回転を電気に変えます。

音がギュルギュルしますし、なにより重くなります。

③電池式のライト

パナソニックから出ている商品のみです。

オートライトタイプで、電池なので漕いでもまったく重くなりません。

ただ電池が切れてしまうと、点かなくなります。

ですので、いつも予備の電池を持っている必要があります。

何故オートライトいいの? あなたのお子さんを事故から守るから!

ではこの中でオートライトがいいのは何故でしょうか。

安い自転車についてくる②のブロックダイナモ。これは先にも書いたように漕ぐと重くなります。

重くなる⇒ライトをつけるのが面倒になる

これが一番危ないのです。

ライトの役割とはいったいなんでしょうか。

地面を照らすこと? 実は他の人に自分の存在を知らせることです。

ライトの最大の役割は、車、自転車、歩行者に、ここに自転車がいるよ、と知らせることなのです。

ですので、まだ暗くないからいいや、見えるからいいや、とライト点けない、これが事故のもとです。

自転車を安全に乗る最大のコツは、目立つこと。他者にここに自転車がいるよ、とアピールすること。

オートライトならば、薄暗くなると点灯します。重くならず、スイッチを入れる必要もありません。勝手に点くのです。

③の電池式はまったく重くならないのですが、電池というものに縛られます。その点、①のものならば漕ぐと発電しますから、お金がかからず、明るいのです。

学校の帰り、クラブ活動の遠征、夜遅くなった時、安全に乗るのなら、このオートライト一択なのです。

②耐パンクのタイヤ

通学用の自転車には耐パンクのものがおすすめです。

近頃はどの店でも耐パンクのタイヤのついた自転車を買うことができます。性能的には、どこのもでもそうは変わりません。

間違えていけないのは、ノーパンクタイヤと耐パンクタイヤです。

選ぶのは耐パンクタイヤです。

この耐パンクというのは、肉厚で摩耗に強く、リム打ちパンクしにくいタイヤです。

通学で一番困るのは、パンクです。実は空気をまめに(2週間に一度)入れればパンクを少なくすることができます。

そのパンクのリスクを最低にするのが耐パンクタイヤです。

ただこの耐パンクタイヤには、最大の注意が必要です。

それはまめに空気を入れる必要がある。

ということです。

ノーパンクタイヤ、触るとわかるのですが、大変硬くできています。

そのため空気が少なくても乗ることができるのです。普通のタイヤだとガタガタになってしまうのですが、意外と乗れてしまいます。

そうなると何が起こるかというと、遠心力でチューブが空気入れの部分に溜まってしまいます。

チューブが団子状になるのですが、こうなるとチューブが折れ曲がり、さらにチューブと硬いタイヤと擦れて、複数の穴が開いてしまうのです。

耐パンクタイヤの性能を100%発揮するためには、マメに空気を入れることが必要なのです。

耐パンクに2週間に一度空気を入れていけば、普通のタイヤよりパンクのリスクをかなり少なくすることができるです。

ちなみにブリジストンやパナソニックの、メーカー品の自転車についているタイヤは、いいものが
付いてきます。

空気の抜けが圧倒的に少ないです。

③しっかりとした車体 剛性が高い車体は、漕ぐとしっかりと進む!

自転車の漕ぎ安さを左右するものはなんでしょうか。

それは車体の性能ですが、その性能を左右するものは『剛性』なのです。

しっかりとした車体、ということですね。

1万円ちょっとの安い自転車、実は車体の剛性がないのでしなるのです。

車体がしなると、漕いだ力が駆動部にきちんと伝わらず逃げてしまいます。そうなると一生懸命漕いでも進まない、ということになります。

ブリヂストンなどのメーカー品で4万から5万円の自転車に乗り続けた人が、安い自転車に乗ると、その進まなさに驚くことがあります。

これは車体の剛性の差なのです。

つまり安い自転車は漕いでもあまり進まず、いい自転車は剛性がしっかりとしているので、漕いだ力が駆動部にきちんと伝わり、しっかりと進むんです。

これは、ちょっと漕いだくらいではわかりません。ですので、自転車店の駐車場でちょっと試し乗りしたくらいではわかる人はほとんどいません。

一概には言えませんが、剛性は自転車の値段に比例します。

乗りやすさと頑丈さを合わせ持つものは、実はブリジストンやパナソニックの4万から5万円代の自転車なのです。

それ以下、3万前後の自転車は、そう変わりませんが、1万円前後のものは圧倒的に剛性がない、と思った方がいいでしょう。

④定期的な整備 自転車も機械! 整備が必要なのです!

どんないい自転車を買っても、まったく整備しなければ、劣化は早くきます。

特に安い自転車はてきめんです。

すぐに錆びますし、チェーンはのびまくり、ブレーキワイヤーも早く切れます。

4万以上の自転車は、多少整備しなくても劣化は少なめです。

ですが、自転車も機械。整備をしないと機嫌よく動いてくれません。

どんな自転車でも整備は絶対に必要なのです。

ブレーキ、ギアの調整、チェーンの伸びの調整、そして注油。

きちんとした店ならば、定期的に整備に持ってくるように言ってくれます。

整備について何も言わない自転車屋やスタッフから、自転車を買うのは良くありません。

自転車は、きちんと整備をしてくれる、あるいは整備ができるスタッフの店で買うことが大事です。

通学用自転車には最低限オートライトのものを選ぶ!

通学用自転車に最低でも外したくないものは

  • オートライト
  • 耐パンクのタイヤ

このふたつです。

特にオートライトは絶対にはずさない方がいいでしょう。

オートライトとそうでないものの差は、数千円ぐらい。1万円も違いません。

この値段であなたのお子さんの安全を買えるのです。

ここをケチってはいけません。

通学用自転車では安全が一番。それにはオートライトであること。これは通学用自転車に最低限に必要なものです。

もちろんいい自転車を買うに越したことはありません。

ですが学校が近い、クラブ活動をしない、自転車は必要だけど、そんなに乗らない、ということもあるでしょう。

それでもオートライトの自転車を選ぶようにしましょう。